相続人調査の必要性
1 相続人を正確に確定するため
相続手続きにおいて最も基本となるのが、誰が相続人であるかを正確に確定することです。
一見すると配偶者や子のみが相続人であると思われがちですが、被相続人に認知した子がいる場合や、前婚の子がいる場合など、見落とされやすいケースも少なくありません。
また、子が既に亡くなっている場合には代襲相続が発生し、孫が相続人となることもあります。
このように、相続人の範囲は民法の規定に基づいて厳密に判断する必要があり、そのためには出生から死亡までの戸籍を収集し、その内容を確認する相続人調査が不可欠となります。
2 遺産分割協議を有効に成立させるため
遺産分割協議は、相続人全員の合意によって成立するものです。
したがって、一人でも相続人が漏れている状態で協議を行った場合、その協議は無効となる可能性があります。
後から新たな相続人が判明した場合、すでに成立したと思っていた分割内容が覆されるリスクがあり、不動産の名義変更や預金の解約などの相続手続きにも大きな影響を及ぼします。
このようなトラブルを防ぐためにも、事前に相続人調査を行い、全ての相続人を確定させたうえで協議を進めることが重要です。
3 各種相続手続きを円滑に進めるため
金融機関での預金解約や不動産の名義変更などの相続手続きでは、戸籍謄本等によって相続人であることを証明する必要があります。
金融機関や法務局は、提出された戸籍をもとに相続関係を確認するため、戸籍の収集が不十分であると、相続関係が確認できないという理由で手続きが進まないことがあります。
また、相続人の人数や関係性によって必要書類も変わるため、正確な相続人調査が行われていないと、何度も書類の提出を求められるなど手続きが煩雑化します。
最初にしっかりと調査を行うことで、無駄な手間や時間を省くことができます。
4 相続トラブルを未然に防ぐため
相続は感情的な対立が生じやすい場面であり、相続人の範囲に関する認識の違いが大きな争いに発展することもあります。
例えば、被相続人の配偶者や子が存在を知らなかった相続人が後から現れると、既に進めていた手続きや分割内容に対して不信感が生じ、紛争の原因となります。
事前に客観的な資料である戸籍に基づいて相続人を確定することは、公平性を担保し、トラブルを防ぐうえで極めて重要です。
このように、相続人調査は単なる形式的な手続きではなく、相続全体の基礎となる手続きです。
相続人の正確な調査を行うことで、その後の遺産分割や各種相続手続きを円滑に進めることができ、不要なトラブルを回避することにもつながります。
相続手続きを円満に進めるためには、まず相続人を正しく把握することが不可欠です。






























